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▼あらすじ
あなたは、人類の起原をご存知ですか？
そしてこの地球が、人類が「神」と崇める、遥か宇宙の中心に住む知的生命体の実験惑星だとしたら.......。

老登山家アダムは大雪が降った後、冬山トレーニングを兼ね、単独で近郊の里山に出掛ける。
そして心ならずも、そのコースに仕掛けられた、異次元空間ゲートを潜り抜けてしまう。
そこは、今まさに春爛漫の高山植物が咲き乱れるお花畑のど真ん中だった。

最初は茫然自失だったアダムも、積み重ねてきた年輪と、持ち前の沈着冷静さを取り戻し、彼なりの状況判断を下す。それは、自分が住んでいた惑星とは違う惑星への転移【遭難】だと判断した。

山での遭難時のセオリー通り、その場所でビバークを決めたアダムは、自分の手の異変に気が付き、知らぬ間に二十歳前後の自分に若返ったことを知る。
ビバークの準備をしながら、血気盛んだった青春時代の、岸壁登攀での野営を思い出す。
太陽が没し、天空がフェードアウトする中で、アダムははじめて激情の波に襲われ、涙を流し妻イブの名を絶叫する。

その叫び声が、異次元空間ゲートという罠を仕掛けた知的生命体の＜耳＞に届く。すかさず生命体から脳波の触手が伸びて、テレパシーによる一方的なファーストコンタクトが行われる。