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タマ与太郎
タマ与太郎
novelistID. 38084
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Tadの「なんちゃって留学記」 2008.6.29~7.14

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ほぼ時間どおり搭乗は始まった。
Tadの席は一番落ち着かない3人席の真ん中。
窓側はスポーツ刈りの高校生と思しき少年で、通路側は年配のご婦人だ。
少年はどうやら何かのスポーツで遠征する集団の一人のようだ。
同じようなジャージを着た坊主頭の少年たちがあちこちに座っている。
ご婦人はひとり旅なのだろうか、地味だけど旅行慣れしている感じだ。

飛行機は滑走路をくねくねと走った後、いよいよ離陸に向けたスタートラインに立つ。
飛行機嫌いのTadにとって、この離陸の瞬間は何度経験しても手に汗握る緊張感だ。
飛行機は無事離陸し、成田の街はあっという間に眼下となった。
さあ、いよいよカナダに向かうぞ、という実感がわいてくる。

飛行機はぐんぐんと高度を上げる。
安定飛行に入ると、綺麗なキャビンアテンダントさんが飲み物をサーブし始める。
Tadの順番が来た。

「コーヒーと紅茶、どちらになさいますか?」
「えーと、…ビールください」

相変わらずの酒好きである。

夕方発のフライトだったため、飲み物のあと、程なくして夕食の時間となる。
前述したとおり、隣の席は未成年の学生と年配のご婦人である。
どちらもお茶とかジュースを頼んでいるところ、
一人でビールだワインだと頼む中年オヤジには辟易していたに違いない。

バンクーバーまでの9時間はやはり長い。
それでも本を読んだり、音楽を聴いたり、映画を見たりしてそれなりにフライトを楽しんだ。
機内の照明が消され就寝の時間になった。