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ねとげ~たいむ

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 その頃。
「助かった〜……」
 私は胸をなでおろす。
 私は崖から突き出た岩肌に引っ掛かって助かった。
「けど、どうしよう?」
 私は上を見る。
 ゲーム・オーバーにならなくともここから出れなければどうする事も出来ない。
 このままタイム・アップを待つしかないと思われたその時だった。
 崖が崩れてシザー・アントが現れた。
「こんな所まで!」
 私はファイア・ソードを構えてシザー・アントに斬りかかった。
『ギャアアッ!』
 シザー・アントは倒れて消滅した。
「ふぅ……んっ?」
 剣をしまうと私はシザー・アントが出て来た穴を見た。
 人間1人が通れるほどの大穴、もしかしたら……
「やっぱり」
 シザー・アントが作り出したこの穴は私達も通る事が出来る、頭の良いセンリなら気づいていてもおかしくはないだろう。
 しばらく道を進んで行くとまた別れ道、アミダクジでもやってるような心境だった。
 シザー・アントが通路を広げた分道が増えるから洞窟内が迷宮と化しているけど、とりあえずは先に進める、いつかはレミ達と合流できるはずだ。
「でも何であんな事をしたんだろう?」
 私はさっきのサリアさんを思い出した。
 サリアさんは明らかに故意で私の手を放した。
 大体察しはつく、なるべくレミと一緒にいたいんだろう、でもだからって何をしても良い訳じゃない。
 人をゲーム・オーバーに陥れるなんてユーザーとして許される事じゃ無い、悪質ユーザーとして報告すればサリアさんはもうこのゲームから強制排除される、それでもレミと一緒にいたかったんだろうか?
「ん?」
 そんな事を考えている時、私は1つのフロアにたどり着いた。
 元々あったフロアだろう、シザー・アントはいないがここを通過した痕跡である横穴が空いている。
 フロアの中心には1つの宝箱が置いてあった。開いてみるとそこには1つの盾が収められていた。それは『鏡の盾』と言う防具だった。
 だけどこれは防具としては強力な方では無く、普通に街で売ってる珍しく無い防具だった。
「まぁ、何かの役に立つよね」
 今までの経験上クエスト中で手に入れたアイテムは役に立つ事が多い、私は立ち上がって先に進もうとする、だがその時だった。
「さてと、次はどれを…… ん?」
 私は1つの横穴が目に入った。
 このゲームは元々作ってあった道とシザー・アントが開けた横穴のグラフィックが違う、勿論区別を付ける為なんだろうけど、その中に1つだけ、シザー・アントの開けたにしては大きな横穴が空いていた。
 確かにシザー・アントが開けた穴とグラフィックは同じだ。しかし軽く人間の5倍はある。
「まさか……」
 嫌な予感がした。
 私はその1番大きな穴の方へ走って行った。
作品名:ねとげ~たいむ 作家名:kazuyuki