ショップカードの裏には
「みか、おはよう。出席書いといてくれてありがとう。」
「おはよ。なんか今日顔死んでない?昨日飲んだ?」
みか、すごい。
入学式からずっと一緒のみかは、エスパーらしい。
「久々に酔ったんだよね。気付いたら家いた。」
笑いながら言う。
「気をつけなよ」って言われてはい、って大袈裟に頷いてみせる。
3限は社会心理学。
今日のテーマは恋愛について。
大教室で一番後ろに座ってるんだけどね、みんな寝てる。
私も眠いなあって爆睡。
そんなんで単位あげちゃうから楽単って言われるんだよ、先生
ありがと、感謝してる。おやすみなさい。
「あや、あや、終わったよ。」
「 」
「私今日用事あるからいくよー。」
「いってら。ばいちゃ。」
はーあ、今日はなんもないから帰ろ。
誰か暇なやついないかな、なんて思いながら学内を歩く。
煙草吸ってかーえろ。
うちの大学喫煙所は人がいっばいいる。
もっと静かに吸いたいなって毎回思う。
まあ吸えるだけありがたいけどさ。
喫煙所に座って前を通る人たちを観察する。
あ、あの子この前新歓であった子だーとか思っても声は掛けない。
名前覚えてない。
ふう、今日も煙草はうまい。
作品名:ショップカードの裏には 作家名:松本奈々