ショップカードの裏には
頭痛い。気持ち悪い。
重い体を引きずって水を飲む。
時計を見ると夜中の3時。
化粧落とさないで寝てたらしい。
どーやって帰ってきたか覚えてない。
でも、知らない人に助けてもらった。
髪の毛さらさらしてたから、さらさらさん。
さらさらさん。
さ、多いなってふふって笑って気持ち悪いな、自分。
さらさらさんありがとうってまた眠りにつく。
寒くて目が覚めた。
もう頭は痛くないけど、でも。
2限はもう、間に合わないや。
3限から行こ。
ごめん。出席書いといて
みかにメールを送って布団に潜り込む。
布団はいいな。今日も平和だな。
あー、でもそろそろ起きなきゃ。
布団に入ってる時間ってなんであんなに過ぎるの早いんだろう。
布団がなかったら死んでるな、
ってばかなこと思いながら、よし、起床。
テレビではよく見る芸能人が馬鹿みたいに笑ってる。
平和だなあ。
冷蔵庫から出した水がおいしい。
机の上に転がってるパンを食べる。
このパン買って帰ってきたんだろうな。
食欲ってすごいな。本能。全く覚えてない。
歯を磨いて、顔を洗って化粧をする。
化粧って武装。
すっぴんなんて、ほんとに好きな人たちにしか見せたくない。
化粧品の香りがするファンデーション、
チークはピンク。
アイメイクはまつげが命。
つけまつげは上下装着。
これがないとわたしじゃない。
そうやって今日もわたしが出来上がる。
作品名:ショップカードの裏には 作家名:松本奈々