悲しき双子達
フレンドリーというか、怖いもの知らずである
「あぁ、そうだが?雷華組の元8代目だ」
一瞬の沈黙
そして
「はっ!?雷華組って、あの!?」
「あの美少女揃いのチームだろ!?」
「大人の裏稼業、何個も潰したチームでしょ?」
「今、12代目まで続いてるんだってね!」
などなど声という声が、教室中に飛び交う
「(そんなに有名なのか、雷華組って)」
俺は正直に言ったところ、雷華組については殆ど知らない
「おーい、うるせぇーぞー
てか、そんなに有名なのか?私達の事」
「そりゃ、有名ですよ。もはや名物ですよ
族なのに、優しいチームだって聞いています
ワタシ、憧れてるんですよ」
そう眼を輝かせて言ったのは、宇瑠瀬だ
てか、憧れてんのかお前
「憧れている・・か
珍しいな、族に憧れるなんざ
宇瑠瀬、お前時期13代目になるか?
お前、そこそこの戦歴持ちのようだし
有名なのは、お互い様と思うんががな」
「ワタシの試合、見たんですか!?」
「あぁ、見たさ
それと私の可愛い妹分もな、感激していたぞ」
「へ?」
「だから13代目にならないかと聞いているんだ
雷華組は本当に無用な暴力は好まん
主に正義を基盤としているからな」
「なります!!」
「「「えーーーーーっ!!マジで引き受けた!!」」」
俺は信じられないという顔で、斜め前の宇瑠瀬を見ると
視線に気付いたのか、俺の方を向いて
「大丈夫、ワタシ
立派な13代目になるよ」
と親指を立てて、キラキラとした笑みで言った
そっちの問題じゃねぇ
てか、親指立てんな。全然goodじゃねぇ
それに、芦屋は満足気な顔で電話をしている
雷華組にだろうと思うが
やがて、電話を終えたのか
スマホをスーツのポケットにしまい
「では、お待ちかねの入学式だ
体育館に行くぞ・・あっ私とした事が出席、とるの忘れちまった
もう時間ねぇな、誰がいねぇんだ?」
「先生、28番の虎松く・・「やっべぇ!!遅刻した!!」
笠宮の言葉は、そのいない本人によって遮られた
短めの茶髪に、愛嬌のある灰色の瞳
形が整った唇、可愛らしい顔立ちの
男子だった
その姿をみた途端、俺と笠宮以外は
またぎゃー、ぎゃーと騒ぎ出した
女子は
「ヤバッ!!可愛い!!こんな可愛い男子見たことない!!!」
男子は
「男装少女か!?」
と騒いでいる
漫画の読みすぎだとツッコみたいところだったが
それどころだはなかった
目の前にいる虎松楓は、俺の弟の楓だったのだ
「か・・えで?」
俺の思考は止まってしまった