DESTINY BREAKER 一章 4
だってこの未来はわからなかったのだから
この子が偶然に転校してきて
偶然に同じクラスになって
偶然に隣の席に座って
こんな笑顔を私にむけてくれる。
あのとき救った命が確かに存在している。
私はふぅと息をはいた。
「桜花ちゃん。どうしたの?ため息なんてついて。」
「ちょっと自分にうんざりしていただけだよ。」
夏樹は不思議そうな顔で私を眺めていたがしばらくして
「へんな桜花ちゃん。」
と小さく笑っていた。
きっとそのときの私は自分の言った言葉とは正反対に笑っていたのだろう。
これが私と夏樹の出会いだった・・・。
作品名:DESTINY BREAKER 一章 4 作家名:翡翠翠