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七ケ島 鏡一
七ケ島 鏡一
novelistID. 44756
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グランボルカ戦記 1 紅と蒼の姫

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「では、ジゼル様もリシエール遠征へ行かれるのですか?」
「ええ。この街の文官は優秀な人間が多いからね。あたしとお父さまが居なくても大丈夫。それにああ見えて警備隊長も中々優秀なのよ。昔は鬼教官なんて呼ばれていたんだから。」
「存じております。彼ならば、きっとこの街の平和を立派に守ってくれるでしょう。」
「当然よ。あたしとグレンの先生なんだからね。」
「おや、ジゼル様にアリス殿。こんなところでどうされました?」
 二人が声のしたほうに顔を向けると、礼服を大分着崩した警備隊長が、酒瓶とグラスを持って赤ら顔で立っていた。
「・・・噂をすれば影、ね。」
「ですねえ・・・。」
「げ、先客がいるし。」
「あれ、ジゼルちゃん。部屋に帰ったんじゃなかったの?」
 隊長の後ろからは、レオとソフィア。それにオリガとキャシーが顔を出した。
 その後も、騎士や文官。平民を問わず、何人もの人がグレンの墓を訪れた。
 あるものはグレンに侘び。
 あるものは墓前に誓いを立て。
 あるものはグレンに礼を言った。
「あーあ。なんか出遅れちゃったね。・・・アレクが城の中で迷ったせいで。」
 エドとアレクシスが到着したときには、墓の周りにはすっかり人の輪ができており、いささか入りづらい雰囲気を醸し出していた。
「こういう事は、早ければいいというわけでもないだろう。とにかく僕らも行こう。」
 結局、グレンの周りにできた人の輪は朝まで途切れることはなかった。