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ISSIYASU  後編

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【安芸】「楽しかったで」

※安芸、笑顔

一緒にいるだけで時々しか会話が無かったから正直不安だった。
それでも安芸は楽しかったらしく、歩みは軽やかだった。

$安芸好感度=$安芸好感度+1

#GOTO 分岐1_X

;=======================================================================
;分岐1_X
;=======================================================================

【安芸】「……疲れたわ」

近くにある椅子に一緒に座る。
ペタリと体にくっつく柔らかい感覚がどこか極楽のような地獄のような……。

ソフトクリームでも買ってやるか。

【磐手】「ちょっと待っといてくれ」

そう言って俺は近くのソフトクリーム屋に行こうとして、

【???】「きゃぁああああーー」

※安芸、通常

俺たちは顔を見合わせた。
何かが起こったようだった。

【磐手】「場所は……?」
【安芸】「メリーゴーランドの近くから聞こえた」

俺は安芸の手を握り、駈け出した。

【磐手】「行くぞっ!」
【安芸】「……うん」

※画面、横ワイプ

俺たちはアトラクションの間を通り抜けてメリーゴーランドの前に来た。

――うっ。

なんとそこでは優男風の男が刃物を振り回していた。
小さな子供たちがまだ一杯周りにいた。

【磐手】「危ないっ……!」

つい俺は叫び声を上げてしまった。
その瞬間、男はこっちを振り返るとニヤリと笑いこっちに向かってきた。

【磐手】「安芸っ……!」

俺は安芸の前に出ようとするが間に合わない。
男は安芸の腕を掴むと強引に引き寄せ、首にナイフを突きつけた。

■CG0001:人質に取られた安芸

くそっ……!
藪を突いて蛇を出してしまった……。

ぼやいた所でこうなってしまうと手出し出来ない。

【男】「動くなよ!」
【男】「動いたらこいつがどうなるか分かってるだろうな!」
【安芸】「……」

肝心の安芸は動きもしない。

【警備員】「そこまでだ、君。早く人質を解放しなさい」

ようやく到着した警備員が男に呼びかける。

【男】「動くなっ!」
【男】「は、早く車を用意しろ!」

安芸が人質に取られている以上、どうすることも出来ない。

大人しくするしか無いのか……?

#SEL 助けに行く:分岐2_1
#SEL 警備員が解決するのを待つ:分岐2_2

;=======================================================================
;分岐2_1/助けに行く
;=======================================================================

助けに行ってやるっ。

安芸に目配せすると俺はダッシュした。
警備員の制止の声が聞こえる。
男がこっちを向く。

くそっ。間に合わない!

諦めかけたその時。
安芸が目を瞑り、男の足を思いっ切り踏んづけた。

【男】「うっ……」
【安芸】「……」

安芸を押さえていたてが離れる。

※画面、通常
※安芸、通常

そのチャンスを逃さず安芸は男から離れた。

【男】「こ、こいつめっ!」

男はナイフを安芸に向ける。
俺はその隙を付いて回転をかけつつ男のうでをつかむ。

【磐手】「何っ!」
【磐手】「おりゃぁああああああああっ……!!」

※画面、揺らす

俺は体を沈め、男を宙に浮かす。
次の瞬間、俺は男を地面に思い切り叩きつけた。

【磐手】「ふう……」

男は地面に伸びて、ナイフも手から離れて地面を転がっていた。

【安芸】「ありがとうな……」

そう言って安芸は俺の胸に頭を載せてきた。

※安芸、笑顔

解決かな……。

$安芸好感度=$安芸好感度+1

#GOTO 分岐3_X

;=======================================================================
;分岐2_1/警備員が解決するのを待つ
;=======================================================================

駄目だ安芸を傷つけるような事は出来ない。

※画面、通常

それからかなりの時間がたった。
ついに警察の突入が決行される事になった。
警官達が走っていく。
………
……

事件は無事に解決した。

※安芸、登場
※安芸、通常

【安芸】「……バカ」

安芸には一言だけそう言われた。

あれは仕方なかったんだ。

#GOTO 分岐3_X

;=======================================================================
;分岐2_X
;=======================================================================

※画面、暗転

俺たちはあのあと来た警察に幾つか質問されたがすぐに解放された。
男は彼女に振られたショックであのような奇行に走ったらしい。
なんともしょうもない話である。

※画面、通常

事情聴取のせいで時間を取られたため、おそらく次が最後のアトラクションだろう。

【磐手】「どれに乗りたい?」

そう聞くと空を見上げた彼女は大きく息を吸うとスッと一つの列を指さし、俺にこう言った。

【安芸】「あれがいい」

指さした先の乗り場の看板に目をやった。
『地獄のジェットコースター 雷神風神』

 こ、これは……。

【磐手】「最近できたばかりのヤツか」
【磐手】「かなりのスリルだって学校で噂になっていたよ」
【安芸】「そうか」
【安芸】「めっちゃ怖そうやな」

その時、後ろから轟音が近づいてくる。
見ると真新しいレールを猛スピードでコースターが駆け抜けていった。

所詮ジェットコースターなんだから大丈夫……だよな?

#SEL 別のにしよう:分岐3_1
#SEL 一緒に乗ろっか:分岐3_2

;=======================================================================
;分岐3_1/別のにしよう
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【磐手】「別のにしよう」

俺はそう提案したのだが、

【安芸】「イヤ」

拒否されてしまった。

【安芸】「……怖いんか?」

女の子にそんな事を言われてしまったら行くしか無いだろう。
俺たちは列に並んだ。

#GOTO 分岐4_X

;=======================================================================
;分岐3_1/
作品名:ISSIYASU  後編 作家名:なお