REKISHI
一,歴史営業
キーンコーンカーンコーン
「では、教科書の18ページを開いてください。」
僕達は、歴史の教科書のページをめくる。
いつになく真剣に。
先生の声はこう続いた。
「江戸時代に入ります。幕府をつくったのは徳川家康という武将です。」
教室内がざわめいた。クラスメイトである徳川君に視線がいく。
「3代徳川家光は、参勤交代制度をつくりました。」
今日は、月に1度のお別れの日である。誰かが選ばれ、どこかへ行ってしまう。
今日は徳川君のようだ。
徳川君は気まずそうである。
先生はいくつか、幕府の政策をあげた。
「さあ、ではお別れ会を行いましょう。」
先生のつくり笑顔には、誰もが気付いている。
なんか裏がありそう。
少し前、その思いをまとめてリーダーにたったのが、徳川君だった。
彼は、我慢強くて頭もよかったのである。
「先月行った平君は、元気にしてますよ。」
先生はさりげなく言う。
お別れ会は淡々と行われていく。
僕達はずっとこの学校にいる。平君は親友だった。
この生活がなんか嫌だった。
「やあ、先生。ちょっと話したいことがあるんだが。」
「なんでしょうか?」
校長先生が入ってきた。
「校長室へ来てくれ。」
小声でそう伝えると、校長先生は去って行った。
「じゃあちょっと待っててね。」
僕は決意した。これ以上仲間を失いたくない。
先生の後をつけた。
誰も止めなかった。
そして、校長室につくと、中から声が聞こえた。
「地球への納入はまだ始まったばかりだ。力を入れて教育をするように。」
「シナリオ通りに進めればいいんですね?」
僕は急いで教室に戻った。1000ページもある歴史の教科書をめくっていく。
あった、僕の名前だ。
「やあ、伊藤君。どうしたんだい?」
後ろを見ると、校長センセ…
キーンコーンカーンコーン
今日は、月に1度のお別れの日である。誰かが選ばれ、どこかへ行ってしまう。
今日は僕のようだ。
なにかが頭の奥で騒いでいるが、いいや。
先生について行った。
キーンコーンカーンコーン
「では、教科書の18ページを開いてください。」
僕達は、歴史の教科書のページをめくる。
いつになく真剣に。
先生の声はこう続いた。
「江戸時代に入ります。幕府をつくったのは徳川家康という武将です。」
教室内がざわめいた。クラスメイトである徳川君に視線がいく。
「3代徳川家光は、参勤交代制度をつくりました。」
今日は、月に1度のお別れの日である。誰かが選ばれ、どこかへ行ってしまう。
今日は徳川君のようだ。
徳川君は気まずそうである。
先生はいくつか、幕府の政策をあげた。
「さあ、ではお別れ会を行いましょう。」
先生のつくり笑顔には、誰もが気付いている。
なんか裏がありそう。
少し前、その思いをまとめてリーダーにたったのが、徳川君だった。
彼は、我慢強くて頭もよかったのである。
「先月行った平君は、元気にしてますよ。」
先生はさりげなく言う。
お別れ会は淡々と行われていく。
僕達はずっとこの学校にいる。平君は親友だった。
この生活がなんか嫌だった。
「やあ、先生。ちょっと話したいことがあるんだが。」
「なんでしょうか?」
校長先生が入ってきた。
「校長室へ来てくれ。」
小声でそう伝えると、校長先生は去って行った。
「じゃあちょっと待っててね。」
僕は決意した。これ以上仲間を失いたくない。
先生の後をつけた。
誰も止めなかった。
そして、校長室につくと、中から声が聞こえた。
「地球への納入はまだ始まったばかりだ。力を入れて教育をするように。」
「シナリオ通りに進めればいいんですね?」
僕は急いで教室に戻った。1000ページもある歴史の教科書をめくっていく。
あった、僕の名前だ。
「やあ、伊藤君。どうしたんだい?」
後ろを見ると、校長センセ…
キーンコーンカーンコーン
今日は、月に1度のお別れの日である。誰かが選ばれ、どこかへ行ってしまう。
今日は僕のようだ。
なにかが頭の奥で騒いでいるが、いいや。
先生について行った。