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SAS closed room

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「どこだ? ここは」
「なに……」
「……なんですかぁ! これはぁ!」

 目覚めた3人が口々に呟き始めた。
 最初に言葉を発したのは、20代半ばだろうか? 今風のイケメン兄ちゃんだ。
 次に身を起こし、怯えた様子で周囲を見渡していたのは、俺と同じ位の年か? 22〜3といった感じの大人しそうなロングヘアの女の人だ。顔は……うん。可愛い。
 最後にやたらとデカい声で喚いたのは30も半ばは過ぎているだろうといった感じの小太りのオッサン。しかも滲み出るオタク臭が半端ない。恐らく美少女フィギュアとか集めてるに違いない。いや、全くの偏見だけど。

 3人は俺がそうしたように部屋をぐるりと見渡した。そして出口がない事に気づき青ざめる――

 ティンローン♪

 その時だった。やたらと軽快な音がしたかと思うと、電光掲示板に文字が走り始めた。

「なんだよ……」

 かぶりを振りながらも、イケメンは電光掲示板の文字を追い始める。

「えっと――おはようございます。皆さん、ご気分はいかがですか? だと? なんなんだ、これは!」
 
 黒い掲示板に真っ赤な文字で記されていく言葉達。流れていくそれを音読すると、イケメンは心底胸糞が悪そうに悪態をついた。

 電光掲示板はそんな事はお構いなしといった風で、次々に文字を垂れ流して行く。

『あなた達を閉じ込めさせて頂きました。といっても大丈夫です。24時間後にはそこから出して差し上げます』

 24時間? 1日経てば出られるのか? しかし――――

『でも残念な事に、この部屋に残された空気では4人全員で24時間を耐え抜く事は出来ません。右に酸素計がありますね? 現在、数値は100を示していると思います。あなた達が会話したり、動いたり、息を吐いたりする毎に当然数値は下降していきます。0になったら意識を保てないと思って下さい。そしてそのまま低酸素に陥り、死に至ります』

 ふざけるなっ! と声を上げそうになったが、思わず酸素計を見てしまった。他の3人も同様だったようで、女性が小さく息を飲んだ音だけが、耳に届いた。

『そこであなた達に、プレゼントを用意しました。部屋の中央にある黒い布の下にそれは置いてあります。なお、24時間の間、食事はもちろん出ませんし、トイレもありません。それではご健闘を祈ります』
作品名:SAS closed room 作家名:有馬音文