「舞台裏の仲間たち」 70~71
さらに明治37年になると、日本で初めてのクリームパンを販売します。
アンパン、ジャムパン、クリームパン、は日本の3大菓子パンと呼ばれていますがそのひとつクリームパンは、相馬夫妻の創意によって作りだされました。
当初の形は、柏餅型をしていたそうです。
これにもまた、こんな逸話が残されています。
「私はかねて中村屋を支持して下さるお得意に対し、
これはと喜んでもらえるような新製品を何がな作り出したいものと
心がけていたが、ある日初めてシュークリームを食べて
美味しいのに驚いた。
そしてこのクリームを、餡パンの餡の代りに用いたら栄養価はもちろん、
一種新鮮な風味を加えて、餡パソよりは一段上がったものになるなと
考えたのである。
早速拵えて店に出すと案の定非常な好評であった。
それからワップルに応用し、ジャムの代りに
クリームを入れて見たのである。」とあります。
現在ではどこのパン屋さんでも売っていますが、当時としては
非常に画期的なものといえる商品です。
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作品名:「舞台裏の仲間たち」 70~71 作家名:落合順平