魔法少女 かよえ☆チュー学
第一話 異世界
数々のまどかの死を目の当たりにして、時間遡行を繰り返す内に感覚が麻痺してきたのだろうか。
これまでに繰り返してきた耐え難き時間の中でも今回は異質だった。
私――暁美ほむら――が知る世界とはなにもかもが変わっていた。
『ワルプルギスの夜』にやられ、時間遡行して一月前の病室のベッドで目を覚ますはずの私の眼前には見知らぬ街が広がっていた。
(キュゥべぇ!)
私達魔法少女を苦しめる憎きインキュベーターであるキュゥべぇにテレパシーを送る。
だが、何分経っても一向に返答がない。
ここは一体どこなのだろう。
行く当てもなく街をふらふらと歩いていると背後から独特のイントネーションで声を掛けられた。
「キミはどこの生徒だね。学校はどした」
振り返って声の主を改めるとジャージを着たスポーツ刈りをした中年男性だった。
「私は今日、この街に引っ越してきた転校生で」
嘘は言っていない。いや、嘘というよりも真実だ。
「あーなるほど。今日、ウチの学校に転校生が来るっちゅーこと聞いとります。その転校生だね」
私が知る限り、まどか達の見滝原中学にこんな教師はいなかったはずだが。
「越して来たばかりで迷子になっとるんですな。じゃあ先生と学校へ向かいましょう。私はマサ先生です。どうぞよろしく」
『ぞ』を強調する酷く訛った口調でマサ先生は自己紹介し、私の手を強引に取ってずかずかと学校へ連行していった。
何がなんだか分からない。
この世界にまどかは存在するのだろうか……。
数々のまどかの死を目の当たりにして、時間遡行を繰り返す内に感覚が麻痺してきたのだろうか。
これまでに繰り返してきた耐え難き時間の中でも今回は異質だった。
私――暁美ほむら――が知る世界とはなにもかもが変わっていた。
『ワルプルギスの夜』にやられ、時間遡行して一月前の病室のベッドで目を覚ますはずの私の眼前には見知らぬ街が広がっていた。
(キュゥべぇ!)
私達魔法少女を苦しめる憎きインキュベーターであるキュゥべぇにテレパシーを送る。
だが、何分経っても一向に返答がない。
ここは一体どこなのだろう。
行く当てもなく街をふらふらと歩いていると背後から独特のイントネーションで声を掛けられた。
「キミはどこの生徒だね。学校はどした」
振り返って声の主を改めるとジャージを着たスポーツ刈りをした中年男性だった。
「私は今日、この街に引っ越してきた転校生で」
嘘は言っていない。いや、嘘というよりも真実だ。
「あーなるほど。今日、ウチの学校に転校生が来るっちゅーこと聞いとります。その転校生だね」
私が知る限り、まどか達の見滝原中学にこんな教師はいなかったはずだが。
「越して来たばかりで迷子になっとるんですな。じゃあ先生と学校へ向かいましょう。私はマサ先生です。どうぞよろしく」
『ぞ』を強調する酷く訛った口調でマサ先生は自己紹介し、私の手を強引に取ってずかずかと学校へ連行していった。
何がなんだか分からない。
この世界にまどかは存在するのだろうか……。
作品名:魔法少女 かよえ☆チュー学 作家名:オチアイ