『愛情物語』 ノクターン第2番 op.9-2 (ショパン)
『たかしなレディースクリニック』は名を変えて、経営者が変わったことを伝えていた。産婦人科だけでなく、美容にも力を入れているようである。
顔のしわ・たるみ、を取るために来ているのだろう。中年女性の出入りを、多く見かけるようになってきた。
隣接していた家屋は取り壊されて、今は更地になっている。
村田巡査部長は勤務中にその前を時々通り過ぎるのだが、ふっきれない思いがよぎる時がある。
高科冴子は、父高科保殺しには無関係やったんやろか。大迫希と共謀していた、ということが考えられる。動機までは思いつかないが。
それと、高科冴子は大迫希のクローン、ということ。今の科学力からゆうて、クローン人間は、実は存在してるんやないやろか。
自転車に跨ったまま立ち止まって、しばらくの間思案に暮れるのであった。
作品名:『愛情物語』 ノクターン第2番 op.9-2 (ショパン) 作家名:健忘真実