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「舞台裏の仲間たち」 62~63

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 「よろこんで引き受けます。
 でも、本当に時絵さんは、それでいいのですか。
 座長にプロポーズをされている立場だと言うのに、
 それでは、逆の行動になりますよ。
 ちずるさんに、あえて一歩ひいているような気もしますけど」

 「するどいわね、レイコちゃんも。
 好きか嫌いかと聞かれれば、今でも男性としての座長は大好きです。
 でもね、もうあれから10年以上も経ったのよ。
 私は座長を選ぶよりも、5歳になる我が子の方を選びます。
 女であるけれども、同時に私は5歳になる男の子の母親だもの。
 どう、これで納得してくれた?
 今の私は、30すぎの座長の面倒を見るよりも
 5歳児を育てる方が性に合っているの。
 こっちのほうが、よっぽど可愛いし、素直に言う事も聞くもの。
 レイコちゃんも早く子供を作って育ててみればわかるわよ。
 順平くんよりも、よっぽど可愛くなるから・・・・
 あら、保母さんに余計な説教だわね、
 あたしったら」

 「そうだわよねぇ。
 私もさっき、雄二さんのところで、女の赤ちゃんを抱っこしたら
 急に子供が欲しくなっちゃった・・・・
 でもさぁ、その子供が出来なくて、たしかちづるさんは身をひいたのよね。
 座長は実家に戻ると言うし、難問ずくしの前途だわ。
 それでも正面から突破するしか道はないみたいですね。
 日立市でしたっけ、ちづるさんは・・・・」



 ■参考資料

 慢性リンパ性白血病は最終的には完治が困難な疾患とされています。
また、治療をしなくても、日常生活に特に支障が出ないまま
一生を過ごすというケースもあります。
治療は主に症状の改善と、生存期間の延長を目的に行われているようです。

 いつから治療を開始するかについては、
米国国立がん研究所のグループのガイドラインなどがあります。
これらの項目のいずれかが認められれば、治療を開始するべきであるといわれています。


 <慢性リンパ性白血病の治療開始のガイドライン>

(1)疾患に関連した症状のうち以下の少なくとも1つが認められること

 (a) 過去6ヶ月間で10%以上の体重減少
 (b) 重篤な倦怠感(仕事不可能、通常の日常生活に支障)
 (c) 2週間以上続く38度以上の発熱
 (d) 感染症を伴わない寝汗


(2)骨髄抑制の進行:貧血、血小板減少の出現、進行

(3)ステロイドホルモン治療に抵抗性の自己免疫性溶血性貧血・血小板減少

(4)左季肋下6cm以上の脾腫あるいは進行性の脾腫

(5)直径10cm以上のリンパ節腫脹あるいは進行性のリンパ節腫脹

(6)2ヶ月で50%以上のリンパ球増加あるいは6ヶ月以内の2倍以上のリンパ球

(7)著しいガンマグロブリン値の低下あるいは蛋白の出現  

  しかし最近の研究結果では、
 以下の検査結果が得られた場合は生存期間が短くなると
 報告されているため、特にガイドラインの条件を満たさなくても、
 速やかに治療を開始することが考慮されています。

(64)へ、つづく