colors
誰だよ、俺の素晴らしい思想を邪魔するのは。一発顔面殴ってやろうか。
「すみません・・・。起きてください。」
「はいはい。」
そういわれて、体を起こし声の本人を確認した。
「あれ。」
全身白尽くめだった。髪の色は白に近い金髪だったが。それと瞳を除いたら全て真っ白だ。
瞳は、さっきまで俺が見ていた<蒼>だ。
だけどさっきとは違い俺のことを警戒しているものだった。凛としているものではない。きっと<蒼違い>なのだろう。
少しだけ、ショックだったりする。
それと、
「背中のものは・・・本物なのか?」
「あぁ、これですか?ハイ。」
「そうっすか。」
この子の背中には無駄にでかい翼が両サイド、計2枚。
同じく真っ白で魅入るほどのものだ。コノ子はみためからして女の子なのだろう。
腕とか足とか(決して変態ではない。)見る限り華奢な部類だ。なのにこの翼を背負っている。
正直、とても重そうだ。
だが、そんな顔一つせずに話しているという事はきっと「天使」なのではないのだろうか。
嘘ではない感じだ。
この天使にはメガネが掛かっている。少し大きめな青いメガネ。
メガネ=正義。みたいな計算式は俺の中には余り見当たらないものだが、だけど。
有じゃないのか?って動揺していたりする。
「天使?」
「はい。天使です。この樹を中心として、降りて来ました。」
「樹?」
「はい。樹、です。」
そういえば、この樹って天使が下りてくるためのなんたらかんたら・・・。
あれ、ほんとだったんだ。
「ある人を捜しているんです。このガーデンにいらっしゃると聞いて。」
「そっか。」
捜し人。こんな子に捜されているなんて、なんてむかつく野郎なんだ。
まだ男とは決まっていないけど。だけど、何かむかつく。
「どんな人?名前は?」
「えっと・・・。真白です。五月雨 真白。」
その瞬間に俺は俺の顔に一発、拳で力の限り殴ってみた。