昭和の旧車名車とともに 第二部 購入編
四代目 トヨタ600GT 5
TOYOTA 1600GTは2000GTと同じくその名しかついていないトヨタの名車中の名車ですが、姉と違い随分地味な子で人気がございませんでした。皆さんくれぐれも「コロナGT」と呼ばないであげて欲しい、コロナGTが出るのはその随分後の話です。
この車10年は乗りましたから歴代の中で一番長く乗った車です。私の前のオーナーはディーラーのメカニック、これを売るが買わないかと誘いを受け、グロリアを売って10年以上たっていていた黄色の16を買いました。なんといっても憧れのTwin camにSolex twinです。シートはお姉ちゃんの2000GTと同じバケット、5速ミッションもお姉ちゃんと同じ、それにフルオープンハードトップです。七宝焼きのエンブレム、乗っている人少ない名車
『これでどうよ!!』てなもんですが・・・実際、人気はレースで負けた因縁のスカイラインが圧倒的にあり、こちらは「なんやコロGか」と「子泣き爺」と間違えるようないわれ方で人気なし。
同じトヨタでも18RGや2T-Gに人気は食われ、フェンダーを頼むとコロナの13インチ用が来てそれをつけていましたが、ディーラーへ文句いったらきちんと14インチ用の純正品が来たくらいですから、人気のほども分かるでしょう。徳島の山の中の車屋では錆びて駄目になった1600も通るたび良く見ていました。出来が良く美人の姉と大違いはまだ我慢できても可愛いと評判の妹のS800にも人気を奪われる地味な次女は、多くが寂しく世を終わったようにも感じます。
あと少し軽量化すれば重量税も安くなるのに1トンを少し越えた重たい車でしたが、人が乗ってないからという理由だけで持ち続けました。それでも太い排気音、タイミングチェーンのシャリシャリ音は吸気音と相まってお気に入りのサウンドでしたが、一方近所迷惑な音でもありました。
10年もファーストカーで乗れば思いでは沢山あります。ベルハウジングが割れてクラッチが効かなくなったというのもありましたしバッテリーが弱く寒い冬の朝は始動性が悪かった。ノーマルで乗っていても警察に止められマフラー不法改造と難癖つけられたり、今は見なくなりましたが、排ガス取締りというのもあって、琴平警察署で止められました。マフラーにプローブ突っ込み
「排ガスが駄目だからディーラーで直せ」と整備指示書みたいなの渡されます。
「先日車検受けたところで、これは特殊使用なのでOKなんです」といっても聞いてくれずそれを持ってディーラーで検査をし、それをまたわざわざ警察に説明に行く。
警察官に「きちんと調べてからものを言え」っていってやりました。
前面塗装を行いぴかぴかになって2ヶ月、松山へ転勤になり駐車場へ止めていると隣の部屋の女性が左フェンダーぶつけてしまい、塗装するもあの色は合いません。日中はいいもの水銀灯の下では色が違った・・全く松山はろくな思いで無いなあ・・・
作品名:昭和の旧車名車とともに 第二部 購入編 作家名:のすひろ