小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

コメディ・ラブ

INDEX|6ページ/67ページ|

次のページ前のページ
 

虫食い凶暴女との再会



俺が小学校に連れてこられた理由がわかった。

校長の娘が俺の大ファンらしい。

俺のサインと一緒に撮った写真で反抗期の娘に自慢したいそうだ。

知らんがな。

「木造の校舎ってすげえな」俺がつぶやく。

校舎を案内してくれている校長教頭が声をそろえて得意げに言う

「でしょう?」

突然「キャー!」歓声が巻き起こる。

子ども達に見つかったな。俺ってこんなくそ田舎の小学生にも大人気なんだな。

手を振り返してやった。

「いなかの純朴なこどもたちよ。晃さまがきてやったぜ」

「キャー」

何言っても歓声が返ってくる。超気持ちいい〜。

しかし一番はじの教室を覗いた瞬間、俺は一瞬にして超気持ちよくなくなった。

「うわぁ!」

思わず声にならない声が出る。

黒板の前にあの凶暴虫食い女が恐ろしい顔をして立っている。

「この前の虫食い女!」

凶暴虫食い女は何も言わず持っていたチョークをぐちゃっと握りつぶした。

俺に歓声をあげてた子どもたちは、女の様子を見てあわてて教科書を読んでいるふりをしている。

「授業を邪魔すんじゃねえよ」。

凶暴虫食い女がつっかかってくる

「お、俺は招待されて来てるんだ」

俺は校長と教頭を見る

教頭、俺に頭を下げる。

「晃さんすいません。うちの職員が」

校長も俺の味方をする。

「ちょっとあの職員変わってまして。あまりお気になさらないでください。」

俺の完勝だ。

「校長先生!」怒ったように凶暴虫食い女が叫んだ。

「あっ晃さん、校長室にどうぞ。おいしいお菓子を用意してますんで。」

教頭がそういうと俺はすぐさま両脇をかかえられ校長室に連れていかれた。

後ろで凶暴虫食い女の「とっとっと東京に帰りやがれ!」という捨て台詞が聞こえた。

ああ恐ろしや恐ろしや。

俺は校長と適当な世間話をしながら、そこまでおいしくもないまずくもないお菓子を食べている。

校長室の中を見渡すと水槽があった。

恐ろしいことにその中には虫が飼われている。

水槽の横に子どもが書いた虫の観察日記もある。

ひぃー。

ちょっと待てよ……この虫……

俺が恐る恐る水槽を指をさす。

「校長先生、あれは……」

「これは4年生が総合の時間に勉強してるササ虫っていうやつなんです。」

「もしかして食べるんですか」

「よくご存知で。ささ虫っていうこの地方の伝統食なんですよ。それに最近じゃ高級食として東京で人気だって聞
きましたよ」

「こ、高級食?」

その時、女性の事務員が入ってきた。

「校長先生お電話です」

「ちょっと失礼しますね」と校長がでて行く。

俺はソファにもたれかかりながら、窓から校庭を見る。

校庭であの凶暴虫食い女改め、凶暴女が体育の授業をしていた。

この間は失敗したな。

スターとして大失態をおかした。

もしこうなったらどうしよう。


部屋には暗くてパソコンと携帯電話しかない

凶暴女はパソコンの掲示板に「晃は容姿で女性をランクわけし女性差別を行なっている。

女性の皆さん晃のcm出演している企業の不買運動を起こそう」と書き込む

凶暴女がつぶやく「へっへっへへへへへへへへへ」


ってなことになったらどうすんだよ。

どうすんの俺、やばいよ。やばいよ。

俺は腕を組んで考え込むと、すぐにいい考えが思いついた。

一応あれでも女だろ。これですべて解決さ。



作品名:コメディ・ラブ 作家名:sakurasakuko