夢をつなぐ
女の子からしたら理想的なんだろうけど、それだけでは私は好きの対象にならない気がする。
「あ~、今日は特別何かやるわけじゃなくて、配布物配ったら終わりになるが。
サッカー部入部希望者は着替えを持ってるやつは着替えてグラウンド集合、ないやつはそのまま集合だそうだ」
よかった、練習に無理やり参加しようと思って着替えを持ってきていて。
ほら、やっぱり廃部中なんて噂でしょ。
さすがはサッカー有名校だよね、入学式から練習だなんて、気合入ってるなぁ。
よし、それじゃアヤもサッカー部に誘おう、見学だけでも。
そう思い、隣の席、アヤの机を見たそのときだった。
「(あれ?)」
アヤの机の横、かばんさげには有名なブランドのマークの入ったサッカー用のエナメルバッグが下がっている。
女の子であるなら、もっと鮮やかで、派手な色のバッグやかばんで登校するもの。
にもかかわらず、アヤが持っているのは青一色のエナメルバッグ。
「アヤ、もしかして」
「……うん、私も、サッカー部希望」
私の初めてできた友達は、ルームメイトであると同時に、チームメイトでもあったようだ。