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University to GUARD 第1章

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 続々と生徒達のPSDがStusyモードになり、矢次の管理下に入ったことで矢次のPSDから資料が続々と生徒達のPSDにダウンロードされ開かれていく」
 PSDがホログラムディスプレイ表示になり、机の角に設置されたドックのPSDから机全体に広がるようにディスプレイが表示される。
「今表示しているのは、履修系統図だ。自分がどの類に属したいか、この大学でどう学んでいくのかを表している。といっても、お前ら初等学年はほとんど共通科目だからあまり差異はないけどな。制度はすでに知っていると思うが、これを見て各自今バックグラウンドでダウンロードしている履修申請書類に、履修する講義を記して提出しろ。各講義の詳細についてはこの一覧の講義名にリンクをつけてあるから、各自参照するように」
 膨大な科目数だった。といっても、そもそも高校までいたって普通な学校生活だったのだ。それが急にこの大学に入ることになり、いざ入れば強烈な戦闘を見せられ、次は学ぶものを選べという。なかなかに六條の頭はパンパンだった。
「周りと相談して結構。実際の講義履修開始は来週からだ。それまでにじっくり選んで、明後日までに提出しろ、いいな」
 横目で美東を見ると、彼女もやはり困惑しているようだった。パンパンに張り裂けそうな胸を机に惜しげなくのせて、眉間にしわを寄せている。
「各自、申請書類をダウンロードできたものから解散だ。自室に戻るなり、施設を見るなり好きにしろ。ただし、他の学年は講義履修中だ。邪魔だけはするな、以上」
 言い終わると矢次はPSDを閉じ、机の合間を縫って立ち去って行った。
「信ちゃん、何にすんのん?」
 矢次が出て行ったと同時に蓮が後ろから話しかけてきた。どうやらこの話題に興味があるのか、ちらりと美東もこちらを見ている。
「そうだな……。まだこれといってはっきり決めたわけじゃないから困ってるところだ。美東さんは?」
「私は、とりあえず決まってるものもあるという感じね」
 美東の方を見たとき、ちょうど後ろから顔を覆った弐城が退室していくのが見えた。そして、右からすたすたと何者かが歩いてくる気配も。爽やかな気配を纏って。
「やぁ、六條君。何履修するかは決まったかい?」
 教員が居なくなったので、そりゃあ立ち歩いても構わないわけではあるが。どうにも河野には席について考えるということをしないようだ。
「そのことでちょっと美東さんと話していたところだ」
「あと、わしも」
 後ろから蓮が便乗してきた。美東はと言えば、爽やかな笑顔に対してあからさまな警戒心を顔中に漂わせている。
「それは邪魔をしてしまったね。僕もいれてもらっていいかな?」
 そういうと美東や蓮に対して自己紹介をさらっとすると、河野は六條と美東の席の間にしゃがみこんだ。せっかくの爽やかも台無しな格好だ。
「あれだ、どこか場所を変えようか」
「ええな、こんな辛気くさいとこで考えてもしゃあないで」
「美東さんはどうする?」
 しばし悩んだ仕草をみせたが、美東も頷き河野を含めた四人は教室を後にした。
作品名:University to GUARD 第1章 作家名:細心 優一