シンクロニシティ
ここはまだ、『僕』がくる世界ではないと思い、そして、もっと違う所からも呼ばれている気がした。
サキと呼ばれている女とユウジと呼ばれている男は、笑顔で迎えられている。『僕』はここがどういう世界なんだろうと思った。もしも人に伝えるなら『夢の国』と伝えるだろうと。
『僕』にはまだ肉体がある。『僕』はそこに戻らなければいけない気がした。必要とされているようだ。ここに来るのは、『僕』が運命を使い終わった時。
『僕』はまたこの人たちともう一度会話をしたいと思った。この人たちは『僕』の事を知らない。その想いが伝わる相手と一緒に、この『夢の国』で、意味のある偶然を一致させるために。『僕』は生きる事を選んだ。
運命を超えた永遠の想いから繋がる幸福。
それが
シンクロディピティsynchrodipity。
世界は続く。
世界はいくつもの可能性がある。
ひとつの世界が終われば、それで全てが終わるのか。
終わらない可能性は何か。
いくつもあるひとつの世界への可能性。
永遠に続く。
<Press any questions>
<何か質問して下さい>
「ANY……質問はもうなにもない。ご苦労だった。さよならだ。停止できないなら、この言葉を永遠と繰り返すんだ。さよならだ」
<さよなら-了解-さよなら-了解-さよなら-了解……繰り返します>
シンクロニシティ ~synchronicity~ END
ひとつの世界の可能性となる
セレンディピティ ~serendipity~ へ