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「舞台裏の仲間たち」 47~48

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 ■エコノミックアニマル

 かつて、特に男性の社会においては、「滅私奉公」等の言葉に
代表されるように己の身を顧みず職業に邁進することこそが、良いとする
規範が存在をしました。
己よりも職を優先することが、社会的にも求められた時代が有ったのです。
こうした状況下では、有給休暇を取ることすら罪悪のように
みなされました。


 高度経済成長期からの日本社会では、
第二次世界大戦に敗れた後の戦後の貧しい時代などの経験から
国の復興と経済発展に邁進することが、社会から個人へ強く求められました。
こうしたことから「滅私奉公」の精神とあいまって、仕事に邁進する人が
数多く見られるようになりました。

 この当時、まだ日本では女性の社会進出が進んでいなかったこともあり、
女性会社員が家庭を顧みずに働くことはまれで、
家庭で男性を支えることが求められていました。
男性会社員が家庭を顧みずに仕事を優先させることは
当たり前であるとする風潮も見られ、地域社会の希薄化ともあいまって、
育児はもっぱら母親の責任とされました。

 特にエリート職であるビジネスマンを始めとして、
サラリーマンでも家庭を顧みない人は多く見られ、職場を「戦地」に例え、
そこに赴く「企業戦士」という言葉さえ生まれました。

 しかしこの日本でも、高度経済成長期から一時の不況を経てバブル期に
差し掛かると、職業に没頭した挙句に健康を害したり、
または過労により死亡する人が目立つようになり、社会問題として仕事に没入することの危険性が指摘をされ始めます。


 また労働災害や職業病に見られる安全や健康を損なってまで
就労することの是非なども問われるようになりました。
なおこの時期には女性の社会進出も進み、過労で体調などを崩す
キャリアウーマンたちも少なからず発生をしていたようです。

(49)へ、つづく