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そして、二人の旅のはじまり

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「ミスティンキル。南のラディキア群島からやって来た。夏の初めに成人したところだ」
「へえ……」
 ウィムリーフの表情が和らいだ。同行する旅人と自分との歳が近いことを知って嬉しかったのだろう。
「ミスティンキル……なんか長い名前ね。ミスト、って呼んでいいかしら? あたしも名前が長いから、ウィムって呼んでくれていいわ」
 ミスティンキルは頷いた。
「じゃあ、この船旅の間はよろしくね、ミスト!」
 顔に当たる雪を避けながら、ウィムリーフがにっこりと笑った。その笑顔は暖かかった。ミスティンキルが閉ざしていた冷たい心の壁を溶かすがごとく。