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これちょっと長いけど小説じゃないです短編用のプロットです。三年くらい前に書いてベッドの下の鬼ノ仁さんのエロ漫画といっしょに埃をかぶっていたのでサルベージして晒します。

あくまでプロットなので、現在これを下敷きに再構成してまったく新しい話の製作の真っ最中です。大正四年、欧州大戦にゆれる世界の片隅で雨月の晩に誘蛾灯の下で繰り広げられる醜い《蛾》たちの物語。
人を殺すことしか能のない冴えない朴訥な男。
浅草、凌雲閣の袂で人間の肉を売る人種不明の青頭巾を被った美青年。
人間の皮や骨からオブジェや人形をつくる芸術家肌の着物ゴスロリ少女。
遊郭立ち並ぶ浅草でロンドンから渡航してきたイケメン床屋外科にして遊女の堕胎手術と子宮摘出がキ○ガイじみて好きな某切り裂きジャック。
智の番人──図書館警察刑事課に所属し、人間に害意をなす人皮装丁本を取り締まる二人組の刑事。
蛾・蜘蛛・百足といった害虫の模様が入った着物を着こなし、御頭はとても聡明でいらっしゃるが振る舞いは甚だ物狂いな華族のご令嬢名探偵。行き過ぎた昆虫採集は、すでに珍しい素行と思考をもった人間にまでおよび、犯人の逮捕という名の蒐集を繰り返すくるぐる少女とそれに滅私奉公付き合う名も無き『ぼく』。

事件は起こる、犯人もいる。だけど誰も救われなければ幸せにもならない。
幼い日、『多重人格探偵サイコ』や『宵闇眩燈草子』『東京赤ずきん』に憧れた思いを胸に、事件の被害者も加害者もメンキャラクターの遊び道具にされる大正退廃ダークメルヘンホラーを鋭意製作中なので、江戸川乱歩や横溝正史、京極夏彦方面が好きな方たちは本当に期待しないで待っていてください。