小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

フェル・アルム刻記 追補編

INDEX|10ページ/15ページ|

次のページ前のページ
 

七. 運命の渦中にあった者達、その後の出来事




 ここでは、「フェル・アルム刻記」における運命の渦中にあった者達
――ルード・テルタージ、ライカ・シートゥレイ、ティアー・ハーン、〈帳〉、サイファ――
一連の事件の顛末を迎えた彼らの、その後を綴る。


〈フェル・アルムのアリューザ・ガルド還元後〉

 “大いなる変動の時”――すなわちフェル・アルム暦1000年は、アリューザ・ガルドの暦法であるアズニール暦に換算すると1056年にあたる。アリューザ・ガルドではこの出来事を“失われた大地の還元”と呼ぶようになっている。

 その年の夏、にわかに空には暗雲たれ込め、大地震と、天を轟く雷がアリューザ・ガルド全土を襲った。地異が過ぎ去った後、“失われた大地”と呼ばれていた地域に忽然と姿を現した島こそが、フェル・アルム島だった。

 当初、魔物の棲む島として敬遠されていたものの、独自に王国――フェル・アルム王国――が築かれているのが判明すると、ティレス王国はフェル・アルムと国交を結んだ。
 一方でティレスの隣国であったイイシュリア王国は1058年、フェル・アルムの制圧に乗り出すが、フェル・アルム女王サイファ・ワインリヴ指揮のもと、フェル・アルム精鋭騎士団“烈火”により退けられる。この戦いの後イイシュリアは国内外からの反発を買い、1059年にはティレスに併合されることになる。
(これ以前のアリューザ・ガルド情勢については、書物『悠久たる時を往く』に詳しい)

 サイファは、宰相たち、相談役のウェインディルと共にティレス王国へ赴き、対等な立場での国交を樹立させることに成功し、再び島へと戻っていった。