時の番人
時の番人は全てを見ている
時の流れと共に動く全ての物を見通し
ただ、成り行きを見詰めている
番人と言えど、時を操れるわけではない
ただ、時の番人は砂時計を持っていて
その砂時計の砂がそのガラスの中で流れ落ちる間だけ
時間を止める事が出来る
現在の時間だけでなく、過去の時間も止める事が出来る
けれど、安易にそんな事は出来ない
時を止めるという事は
それ以後の、関わる者の運命を変えてしまう事になるからだ
ほんの数分
それでも、そのずっと先では
大きな変化が起こりうる
番人は、公平でなければならない
全ての時を守る者として、感情に流される事は許されない
番人の仕事は、世襲制で
受け継ぐ前に、先人から強く言われた事があった
特定の場所に留まってはいけない
どういう状況があったとしても、自分の思いだけで
時を動かしてはいけない
時を止めていいという許しは無い
「そう出来る」というだけであって
出来るから止めていいという事では無いのだ と