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「舞台裏の仲間たち」 45~46

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 「当り前さ。
 国内で、今までさんざん苦労をして
 油汗を流しながら資金繰りを繰り返してきたんだ。
 これさえうまくいけば、そいつからも一遍に解放されるんだ。
 上手くやってのけるさ。
 第一、向こうに行けば、国産メーカーのNCやマシニング・センターが、
 関税の優遇と国策のために、国内価格の半額以下で導入が出来るんだ。
 夢みたいな、工場設備が完成をする。
 まさに、トントン拍子の青写真そのものだ。
 そう思うだろう、君も」

 「そうですね」と頷いたものの、一方で、
そんなに上手くいくだろうかといぶかっている自分がいることに、
なぜか、順平は気がついています。

 しかしこの時代の海外進出は、
すでに一部の大企業からさらに下部へと、その広がりを見せはじめました。
一次や二次の下請け企業をはじめ、町工場まで巻き込んでの
海外移転が、よく有る海外事業ひとつとして本格化をしてきたのです。
今回のケースもよくある町工場の、海外進出という話の一つに過ぎません。

■NCマシンとマシニング・センターについて。

 NCとは。

 数値制御工作機械のことでNCマシンともいい、
従来の手で操作する工作機械に対して、数値情報(coded data)で
操作される工作機械のことをいいます。

 工作機械のNC化は、
1960年代に日本が世界に先駆けて開始し、
その成功で、その後の世界のNC工作機械市場の大部分を制覇しました。
機械装置のNC化には、それに適したアクチュエーターとセンサー、
ならびに制御装置の開発が必要でした。

 その後に、マイクロプロセッサやマイクロコンピュータが
制御部分の主要部として取り入れられると、高精度加工の大衆化と非熟練化が促進され、
生産技術に大革命をもたらしました。
また、その技術は初期の産業用ロボットや
その他のメカトロニクス機器に応用されるとともに、
生産技術全般の高度化をもたらし、70年代から80年代の
日本の産業躍進の原動力にもなりました。


 最近注目される技術としては、曲面加工の際に、
従来では階段状に駆動していたのを、なめらかな曲線で駆動する技術が
開発されたこともあり、広範な応用が期待されています。
 

マシニング・センター [machining center] とは

 加工物の穴あけ、ねじ立て、面取り、中ぐり等の
複数の加工が可能なNC工作機械のことで、「MC」と省略をされています。
複数の加工は、NC工作機械の側面や背面に多種類の工具をストックし、必要に応じて
選択して自動的に工作機械にセットできることによって可能となっている機械です。

この装置は、工具自動交換装置と呼ばれており、
わが国の技術によって開発された世界に誇れる工作機械です。
無音化が求められる潜水艦の、スクリューの複雑な曲面加工を可能にした
自動機械としても、全世界で一躍有名になりました。