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四神倶楽部物語

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「なるほどね、宇宙レベルの距離も、帯のように折り返して重ねれば、20光年も近いものになるよな」
 私は感服。されども具体的な方法については今一つわかりません。
「で、どのようにして、その折り重ねられた帯のAからBへと、その厚みを旅するの?」
 魔鈴はこのような疑問も当然という顔をして……、返答に自信があったのでしょうね、その表情に白い歯がこぼれました。

「お兄さん、心配いらないわ、宇宙貫通カプセルっていう乗り物があるのよ。それで早速なんだけどね、宇宙旅行社に頼んで、そのカプセル・チケットをここに用意させてもらいましたわ」
 魔鈴はこう話し、ゴソゴソとバッグの中から4枚のチケットを取り出しました。そして、「はい、これよ」と私に手渡してくれました。こういうのをきっとトントン拍子と言うのでしょうね。私は魔鈴の手早さに、「えっ、これって?」と目を丸くしました。しかし、魔鈴はこんな私にお構いなしです。

「はい、これがお兄さんの分よ。あとはミッキッコさんに佳那瑠さん、そして悠太さんのチケットよ。今度のサマーバケーションを利用してグリーンスターに遊びに来て下さいね、私楽しみにしてるわ。じゃ、現地でお会いしましょう」
 魔鈴はさっさと、すべての話しを締めくくってしまいました。私はあまりの急展開に、ただただ唖然。だが横に座ってるミッキッコ、ニコニコと頬には満面の笑みが零れてます。そしていきなり私の手を握って、ひとりハシャグのですよね。

「うわあ、嬉しいわ、私たち四人でグリーンスターへ慰安旅行するのよ。魔鈴さん、ぜひ訪問させてもらいますから、現地でお会いしましょうね」
 ミッキッコのヤツ、勝手に結論付けてやがって!

 しかし、私はそんな喜んでるミッキッコを見ている内に、こちらまで気分が高まってきまして、「まあ四神倶楽部結成の記念に、行ってみるか」と、その気についついなってしまいました。


作品名:四神倶楽部物語 作家名:鮎風 遊