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四神倶楽部物語

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 初めて四人が揃った合コンでした。お陰様で、充分過ぎるほど盛り上がりました。しかしその最後の締めで、またまた奇妙な出来事が起こったのです。
 四神倶楽部のこれからの絆愛、つまり強い絆と大きな愛による団結を祈念し、私たち四人は輪になって、手を組み合いながら乾杯をしました。

 まさにその時でした。その輪の中心に、ピカピカっと稲光のような閃光が走りました。それは私たち四神の力が収斂して、多分宇宙のエネルギーを呼び込んだのではないかと推察しています。そしてまことに不思議なことですが、輪の真ん中に、ふんわりと現れたのですよ。四神が慕う五神の麒麟が。私たちは、それがなんとなく魔王尊のサナート・クマラの化身のような気がしました。

 そしてそれと同時に、全員が記憶を蘇らせたのです。「随分と昔のことだけど、私たちの祖先たちは長い宇宙の旅の果てに、地球の鞍馬山に着陸したんだ。その時の祝賀パーティーで、魔王尊のサナート・クマラを中心に、祖先たちは円陣を組んだんだよなあ。あの時のフォーメーションが、これと同じ形だったような気がするよ」と。
 遠い遠い古代の記憶。それらは先祖たちのDNAに刻まれ、現代まで綿々と伝え渡ってきました。そして今、悠久の時を超えて、四人にそれらの記憶が蘇ったのです。

 650万年前に鞍馬山に降臨した四神の祖先たち、そこから時代を経るに従って、地球に居残る者、宇宙の他の星へと移住して行く者と分かれて行きました。そして私たち四人の直系の祖先たちはどこかの星に移り住んだような気がします。

 私には宇宙をピューと飛ぶ記憶があり、どうもそれがその時に祖先が見た宇宙の景色ではなかったかと、ぼんやりと思うのです。そして、こんな気分になった私たち四人は、なにかを予感しました。うまく言えませんが、650万年前の過去から今日まで、その時々にいろいろな不可解な出来事が起こってきました。
 そして、これからも同じようなことが起こり、私たち四人はそれらにきっと遭遇し、巻き込まれるだろう。

 そして最終的には、四神倶楽部がその摩訶不思議な出来事を解決して行くことになるのではないだろうか。そんなことを予感するのでした。



作品名:四神倶楽部物語 作家名:鮎風 遊