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四神倶楽部物語

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「ダメ! 男らしく、リーダーをやんなさいよ!」
 なんで女性って、ここ一番で、こんなにも怖くなるんでしょうか。私は、「はい、わかりました」としか答えようがありませんでした。
 するとですよ、手の平を返したように、「サスガー! 龍斗って、ホントいい男だわ、ほほほほほ」と。ミッキッコはこのほほほの微笑みで、この交渉に、完璧に決着を付けてくれはりました。

 まあ、しかしですよ、ミッキッコのヤツ、泣いて、怒って、微笑んで。この三つの女の武器を駆使して、私をコロコロッと手玉に取って、上手く落としてくれたものです。私はもうミッキッコに逆らうことを諦めました。そして、「まず最初に、どんな活動をしたら良いと思う?」と丸っ切りリーダーらしからぬ人任せな質問をしてみました。

「龍斗、まずはね、玄武さんを探さないとね。そうでしょ、青龍、白虎、朱雀、そして玄武と揃わないと四神にならないでしょ」
 私は、このミッキッコのリーダーシップが発揮された御意見、それに誘導されて最初の行動方針を決めました。
「そらそうだなあ、四枚のカードが揃わないと意味ないよなあ。じゃあ玄武さんの捜索活動を開始しよう」
 ミッキッコは私のこの決断を聞き、さらに励ましてくれるのです。

「もし四神直系の子孫が揃えばね、大きな力を持つことになるわよ。そうだわ、龍斗だってサラリーマンとして実績を出し、出世頭になれるわよ、だから頑張ろうね、青龍ちゃん」
 ミッキッコは四神倶楽部が発足し、まずは走り出したことが余程嬉しかったのでしょうか、満足げな表情になっていました。そして私は、5月3日から救い出してきたミッキッコの笑顔がまことに心地よかったです。

「全部了解だよ。さっ、とりあえずミッキッコに佳那瑠、そして俺の三人でスタートさせ頑張ってみよう」私はそう答え、冷酒のグラスを高く掲げました。
「我々の四神倶楽部に、乾杯!」私が声を上げると、ミッキッコが言葉を続けました。
「今日は5月4日、四神倶楽部は本日発足ね。世界はどこも魔界のようなもの、これからが楽しみだわ。私たちの摩訶不思議な未来に──乾杯!」

 そして先の尖(とが)った筍を、先っぽからがぶりとかぶりつき、ぐびぐびと伏見の冷酒を二人で同時にあおりました。


作品名:四神倶楽部物語 作家名:鮎風 遊