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四神倶楽部物語

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 昨日は一種の社会見学でありましたが、今日は美しい景色が望める山、魔神山に登ってみましょうと魔鈴が誘ってきました。案内はすべて任せていましたので、特に反対はすることはありません。
 朝食後、ホテルで山登り用のジャケットやトレッキングシューズなどを借り、身支度をして魔鈴を待ちました。そして魔鈴は約束の時間通り、いつもの小型天車を操縦し迎えにきてくれました。

「おはよう、今日は天気が良さそうよ」
「ああ、今朝のテレビの地表天気予報では、快晴と言ってたよね。今日もよろしく」
 私は魔鈴にそう返し、四神倶楽部の他の三人とともに天車に乗り込みました。そして魔鈴の運転でしばらく飛び、エレベーター口へと着き、そこから地表へと昇りました。

 天気予報通り雲一つない大空が頭上には広がっていました。
 空気はどこまでも澄んでいて、さながら地球なら紺碧の空です。だがこのグリーンスターはまた違った眺めです。それは地平線にある太陽からのプリズム現象によるのでしょう、エメラルドグリーンの神秘な空が広がってます。

「さあ、こちらよ」
 魔鈴から呼ばれて付いて行きますと、そこには白馬の四頭立ての馬車が待っていました。
「えっ、これに乗って行くの、素敵だわ」、「ほんとね、まるでシンデレラになったような気分だわ」と、ミッキッコと佳那瑠がもう舞い上がってしまって、興奮気味です。

「みなさん、このキャリッジで3時間ほど揺られたら、あの山の山頂に到着するのよ」
 魔鈴が指を差しました。その指先の方向を見た悠太は「結構高い山じゃん、標高1,000メートルくらいはあるよな。あのテッペンに登るって、楽しみだなあ」とテンションを上げました。

 こんな興奮の中で、私たちは緑目をした4頭の白馬が引く馬車に乗って、さあ、出発!
 深い森を抜け、草原をカッポカッポと揺られ、そして渓谷を縫って行きました。もちろん途中途中に駅があり、そこで休憩を取りながらの楽しい物見遊山です。


作品名:四神倶楽部物語 作家名:鮎風 遊