超ミニ生足姫女
二人は仲間を尻目にラブホテルに直行した。
女はメロメロで、久しぶりにKは激しく興奮していた。もつれるように部屋に入ると、愛撫するのももどかしくベッドに押し倒し、ブラウスを剥いで乳房に食らいつき、太ももを押し開けて女の深奥をまさぐった。サカリのついた猛犬さながら襲いかかったのである。
余りの強引さに女は身体を硬くしヤメテ、ヤメテと叫んだが、発情したKは止めようもなく、ますます欲望をたぎらせて女の深奥に入れようとする。怯えた女が諦めて受け入れると、Kは激しく腰を動かし逝ってしまった。
ラブラブセックスを期待していた女は腹立たしく情けなく、Kの身体をはねのけると浴室に飛び込んだ。強姦されたようで悔しく惨めで、泣きながらゴシゴシ身体を洗った。汚れを落とそうとシャワーを浴び続けた。
「何よ、あの男!サイテ-!けだもの野郎!」
欲望を遂げたKは放心状態で女を待っていた。シャワーの音が止まらず出てくる気配がない。オレだけ逝ってしまったから、怒っているのかもしれない。心配したKはノックした。シャワーを浴びる女が罵った。
「何よ、けだもの男!サイテ-!入ってこないで!」
乱暴なセックスだったから罵られても仕方がない。女をなだめてもう一度、今度は優しくリベンジしよう。一物はスタンバイしている。ドアを開けた瞬間、女の罵声が飛んだ。
「出てって!強姦野郎!」
同時にカモシカ足がバシッ!Kの股間にヒットした。ウッとうずくまるや、間髪を入れずバシッ!バシッ!強烈キックに悶絶するK。何と!女は髪をつかむとKの口にシャワーを突っ込んだ。
「出せばいいんだろ出せば!ホラホラ、テメエーのアレだ!テメエ-はサカリのついた犬野郎だ!」
苦悶し転がるKにペッ!女は唾を吐きつけると出て行った。
濡れそぼり咳き込みフラフラのKは鏡の前の女にひれ伏した。
「ゴメン、悪かった!・・君の苦しみが分かった、許してくれ!」
見向きもせず女は身支度を終えるとそそくさと玄関に向かった。一刻も早く立ち去りたいのだ。さっさとKとのことを忘れたいのだ。咄嗟にKは名刺を持って追いかけた。
「ま、待って下さい!また会って下さい!・・ぼ、僕の電話番号です!」
すがりつくKが名刺を渡すのと、三度カモシカキックがヒットしたのは同時であった。バーン!ぶっ飛ぶK、激烈キックに半目をむいて転がった。
どれくらい失神していただろう。
目を開けると、目の前に何やら黄金に輝くものがある。十字架のネックレスである。もしかして彼女のもの?姫女の形見?・・Kは押し頂くように持ち帰ったのである。
二
超ミニ姫女の印象は強烈であった。
チャラ天といわれたKは色々遊んできたが、あんな激烈な女は初めてであった。一晩でどんなに豹変したことだろう。
最初は清楚な黒髪姫カット、京人形風お嬢さんであったが、挑発的なミニで見事な生足を露出させていた。あの太ももの艶めかしさはなんだろう。そして酔った女の妖しい色気、強烈なフェロモン。最後にみせた激しい怒り、罵詈雑言、カモシカキック、シャワー責め、まるでSMの女王であった。
それにしても・・とKは思った。オレはM男だろうか。股間に入った強烈キック、シャワー責めと罵詈雑言が忘れられない。仕事が手に付かず姫女を思う日々が続いた。
そんなある日、突然電話が鳴った。誰だろう?と出ると、自信なさげな女の声である。口ごもりながら言った。
「・・あの・・以前・・名刺を頂いた者ですが~」
怪訝に思って名前を聞くと、
「・・名前はご存じないと思います。名刺を頂いただけで・・」
Kは仕事で名刺を乱発している。
「どこで名刺をお渡ししましたっけ?」
女は言いにくそうである。
「・・あの、それはちょっと・・以前居酒屋でお知り合いになって、姫カットが似合うって褒めて頂いた者ですが・・」
「ああ!あの時の姫カットさん!」
嬉しさの余り、思わず叫んでいた。
「待ってましたよ!会いたかった!毎日電話を待ってました。有り難うございます。嬉しいな~夢のようだ!」
有頂天のKに女の口調も明るくなった。
「実は、私の大切なネックレスが見当たらないんです。もしかして、あそこで忘れたんじゃないかと思って・・ご存じありません?」
ひとしきり大喜びしたKは焦らせてやれと思った。
「あそこって、どこですか?」
明るくなった姫女が応えに詰まった。素面(しらふ)でホテルと言えないのだろう。
「・・あの・・居酒屋の後で行ったところ!いくら探しても見つからなくて、あそこじゃないかと思ったんです。」
あれ以来、Kは思い出のネックレスを持ち歩いている。ポケットを探るとシャラシャラ金属音がした。もっと焦らせてやれと思った。
「あそこで君は脱いだよね、裸になる時に外したのかな。」
女の見事なヌードが目に浮かぶ。姫女も思い出したのかしばらく詰まった。
「・・いつも肌身離さずつけているからあそこしかないと、散々悩んだ末にお電話しているんです。貴方がご存じないのなら困ったわ、どうしましょう。・・命の次に大事にしているんです。・・困ったわ。」
思いあまった女が泣きそうである。そうだ!この機会に電話を聞き出せばよいのだ。Kは励ますように言った。
「君にとって命の次に大事なものなんだね。分かった。僕は君が大事だから絶対見つけてやる。絶対見つかるから安心しろ!すぐホテルに確かめてみる。この電話は非通知だろ、番号教えてくれないか。返事を入れるから!」
藁をもすがる思いの女はKの言葉を信じ、電話番号を教えると連絡を待った。翌日、Kはホテルにあったと報告し、大喜びの女に手渡すから例の居酒屋に来るように指示したのである。姫女は声を詰まらせながら何度も有り難うを繰り返した。
週末の夜をKは一日千秋の思いで待った。
今度こそ優しいラブラブで姫女の歓心を買わなければならない。予定より早く店に入って待っていると、可愛いらしいワンピースで現れた。いつぞやの超ミニ生足の妖しさは面影もない。女はファッションでかくも変貌するものか。
ダテ眼鏡をかけたKは姫女に徹底奉仕しようと決心した。着席するや、例によって絶賛である。
「可愛いな~ヒラヒラワンピース!今夜は完璧なお嬢さんですね。綺麗だよ!チャーミングだよ。前回と別人みたい。・・これが素なんだろ?」
「ちょっと高校生ぽくない?」
姫女は照れたが、Kは真っ直ぐ見つめて断言した。
「高校生より断然可愛い!」
おもむろにネックレスを取り出した。飛び上がらんばかりに喜ぶ女。ネックレスが燦然と輝いている。Kは厳かな面持ちで述べた。
「イエス様のネックレスです。見つけることが出来ました。イエス様の思し召しで僕らは会うことが出来ました。有り難うございます。アーメン!」
頭を垂れてアーメンと唱える女。ネックレスを首にかけてやると、女は感激の余り声を詰まらせた。
「・・やっとイエス様が戻ってこられました。有り難うございます。何とお礼を申し上げていいやら。・・本当に有り難うございます。」