serve out
私は、楓の事が大好きだった
私たちは、とても仲が良かったし
私には付き合った相手も居たが、何よりも楓を優先させた
楓の方はというと、おくてで男子と会話を交わすのも苦手
そういう理由もあって、短大進学と言う道を選んだのだ
保母になりたいという夢以外にも
楓には、児童書の作家になりたいという夢もあった
割と家に引きこもる事が多かった理由のひとつが
童話や絵本を書く事に、多大な時間を割いているという事だ
私は、楓の書く話が好きだった
身内の贔屓目を除いても、楓の書く内容には
とても惹かれるものがあったからだ
短大に入った頃から、楓はブログを始めていた
いつかは、子供たちとの交流の場にしたいと思っていたし
童話をそこに連載していた
不特定多数に読ませる事を、楓は恥ずかしがっていたが
私がそれを説得した
作家になったら、必然的に不特定多数の目に触れるのだから
他人の評価を知るのも大切な事だと私が言ったのだ
それが
あんな事になるとは、思いもしなかった