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私の名前はくれは
紅葉と書いて くれは と読む
私には双子の姉が居る
楓と言うのだ
両親は、私たちが中学3年の時に事故で他界した
残された私たちは、親戚の家に厄介になる予定だったが
両親の残してくれた家に、民生委員の人と
隣に住むちょっとお節介なおばさんに助けて貰いながら
二人で暮らす事にした
家はこじんまりとした一軒家
単に住むというだけのものに、豪華さは必要ないという
父の考え方と、ちゃっかりした節約家の母のおかげで
実は、結構な財産家だった父の遺産と
両親が残してくれた預金が、私たちの生活を支える事になった
だから、進学にも何も問題は無かった
楓と私は、一卵性双生児の割に性格は真逆と言っていい程に
違っていた
大人しく、派手な事の嫌いな楓は
高校こそ同じ学校に進学したが
大学には行かず、地元の短大に進学し
いずれは幼稚園の保母になりたいと、幼児教育科に行き
一方、活発な性格の私は、少し離れた大学に通っていた
そして、通訳や旅行関係の仕事をしたいという希望を持ち
サークル活動にも参加して、帰りは遅くなる事が多かった
楓は料理も上手で、好きだったから
文句も言わずに、朝のお弁当から夕食まで
殆ど毎日担当してくれて
私は替りに、掃除や洗濯を担当したが
それも、楓がやってくれている事が多かった