妄想クラブより バック・シート・ドール に愛をこめて
一人の夜の辛さを言えば
決まりきった答え
待つように言った覚えは
一度だってないと
さて深夜彼が帰ってきました、もう二時は過ぎていますか。男もその時間に帰って明かりが点いていればバツが悪いもので、いっそ寝てくれてたほうがありがたいという気持ちは分かります。この男も心のどこかで悪いことをしていると少しは感じているのでしょう。しかし自分の都合のいいように「誰が待っていろといった」と怒鳴るなんです。彼の気持ちは冷め切り、女の気持ちは残り火がある、そこへ水をかけるかのような一言。この一言で彼女は決めたのかもしれません。
分かる、どちらの気持ちも十分分かる!でも愛しきると、これも許せるがそれが難しく修行がいる。実に切ないねえ。
作品名:妄想クラブより バック・シート・ドール に愛をこめて 作家名:のすひろ