うそつきうさぎ
ももいろうさぎのお母さんは、体が弱くて
いつも病気がち
ももいろうさぎは心配でたまりません
ある日、危ない所に行ったことが
お父さんに知られて叱られた はいいろうさぎは
腹立ち紛れにももいろうさぎに
「森の向こうの崖の裂け目に花が咲いてるんだ
その花は、どんな病気にも効く薬草なんだよ」
そう、でたらめな事を言いました
確かに、その裂け目には花が咲いています
崖に近寄ってはいけないと言われていたのに
いいつけを守らなかったというのが、叱られた理由だったからです
だから、花が咲いている事は知っていました
ももいろうさぎも、もちろん
崖に近寄っていけない事は判っています
その花が、本当にお母さんに効くのか
それはもちろんわかりません
嘘だとは思っていなかったけれど
お母さんが元気になるかもしれないと考えると
いてもたってもられませんでした
崖に向かって走り出しました
途中で、友達に会った時に
「慌ててどこに行くの?」
と聞かれたけれど、答えずに走り出しました
そして、ももいろうさぎはそのまま帰って来ませんでした