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私の平凡な日常に舞い降りてきた天使

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クリスマスイブの日

久し振りの休日
自分を酷使して仕事に打ち込んできた昨日まで
今日の朝は辛い 目は覚めていても体が中々ベッドから離れられない
ベッドの中でPCを覗く Facebookを開いて見ると
たくさんの写真とMerry Christmasの文字
私はそのひとつひとつにいいね をクリックする
『まっぁん…いつもいいね すごいな』
男性が欲しいプレゼントの首位は「ipad mini」(17.2%)
女性が欲しいプレゼントの首位は「アクセサリー、ジュエリー」(33.6%)….

私は そんなものいらないのに 欲しい物は
もう ここ数年彼氏いない歴 何年ですか? 
KISSだって何時しましたっけ ずいぶん昔過ぎて 覚えていない
し方も忘れてしまったみたい 
そして今日 イブなのに何の予定も入っておりません って寂しい女

『あたしゃ 愛が欲しい』とコメントをした これ私の本音 

まっぁんからすぐにコメントが帰ってきた
【外に出れば落ちているかも…】
落ちている ね  捨て猫の様に段ボールに入って 僕を拾ってください
なんてドラマ あったよね JJが落ちているなら 絶対拾う
誰かに拾われる前に即座に拾うから 
いいえ 誰かにとられるくらいなら なんて歌もあったよね

『では 拾いに行ってまいります』
【寒いですが 肩に止まることもあるかもです】

さすが まっぁん いい事 書くね
でもね 天使じゃあるまいし いや妖精ってことも それとも背後霊か 肩にねぇ
そうか 今日は天気が悪いし さっきTVで お天気おねえさんが 軽いノリで言っていた
【今日は夕方から雪もしくは雨になるでしょう 私は雪が降ると予報しまぁ~す】


やっとベッドから起き上がり スエットに着替えると
今まで疎かにしていた家事とやらに取り掛かった
狭い部屋の床に脱ぎ捨てられた服を片付ける ブラジャーも ストッキングも
台所の流しの中には昨夜の食事の残骸を片付けた 
3日溜めた洗濯物も洗い 一応女ですが仕事が忙しかったから仕方ないと
自分に言い訳してみる
確かに私は仕事が大好き 今の仕事にも満足もしている 残業続きだろうが頑張ってきた
新しい事業も任されている そうよ 満足している なのに 
 
何かと細々動いたとあってお腹の方も空いてきた ちょうどお昼時
冷蔵庫の中を見る 何処をどう見渡しても食べれそうなものがない
いつからそこに留まっていたのだろうか 化石化した物 はある
化石となる前はいったい何でしたかと問いたい物
辛うじてあるものはお餅 1個1個包装された さ○○の切り餅というやつ が
2個と….海苔もあった 多少元気がなく草臥れてはいるけれど十分食べれそう
ちょっと早めのお正月なんてね ひとり暮らしの怖いとこひとり突っ込み
現代の電気製品は本当に便利である トースターに入れてタイマーをすれば
勝手にチンと出来てしまうのだから  洗濯機も同じで既に洗濯は終わっていた

洗濯した物をコインランドリーの乾燥機にかけてくることは私の日課になっている
今日は天気も悪い
部屋の中に干すのは好きではなかった 部屋が狭いこともあるのだけれど
コインランドリーを使うだなんて不特定多数の人が使って不衛生でいやって人も
いるけれど意外にちゃんと管理されている 少なくとも私が利用している所は
おばちゃんがいつも丁寧に中を磨いているのを私は何度も見ている

空っぽの冷蔵庫をお腹いっぱいに満たしてあげねばならない用事と
コインランドリ―に通うという2つの外出
いくらなんでもスエットとはいかない 恥ずかしくない程度に着替えて家を出る

週末しか乗らない愛車 ガソリンは満タン これからのお出掛けの予定は
まずはランドリーで 乾燥をかけている間に買い物をして ついでに
ツタヤに寄ってDVDもしくはCDを借りる どう この予定で
出る時間が昼下がりの今なのだから 帰りは夕方になる
夜は これから借りてくるDVDを見ながら ケンタのチキンを食べながら
ケーキはショートケーキ あそうだ この間 後輩の娘に貰ったワインもある
これで十分じゃない? ひとりイブの夜も乙なもん 負け惜しみなんかじゃないから

外へ出てみれば 道路は車の渋滞 ランドリーは混んでいる
ランドリーの駐車場におじちゃんが車をひどい止め方をしていた
私の愛車が入れないじゃない 車から降りて文句を言う

『こんな止め方したら駐車場入れません』
【ねえちゃん 文句言うなら前のおばちゃん言うてな 邪魔なんはあの車や】

スーパーでは人の波の中をかき分けて買い物をした
DVD 借りたいものはすでにレンタル中 CD聴きたい歌が見当たらない
今日はイブ クリスマスイブ 私に奇跡は起きないのかぁ やれやれだ

買い物済ませて ランドリーに向かう この時すでにくたくたな私

ランドリーの駐車場 未だにいっぱいで止める所もなし
もういい加減待つのもいやになった
大きな桜の木がある公園の先のコンビニに車を止めた 
公園を抜け歩く事5分
コインランドリーで乾燥機から衣服を取り出したたみながらカゴに入れる
そして また公園を通って  
公園の桜の木 春になれば満開の桜が咲く 
私は その桜の木の前で立ち止まった 早く桜の咲く季節になればいい
仕事は大好き ただがむしゃらに頑張ってきた 
気が付いたら幾つもの季節を 通り越してしまっていた 
周りの友達は 結婚をして素敵な家族を作って幸せな子もいる 
素敵な出会いに巡り会えた子もいる その度に それだけが幸せじゃない と
自分にそう言い聞かせてきた 寂しくなんかないと言えばうそになる 

今日はクリスマスイブ 

眼を閉じて 桜の木に手を当てた 満開の桜の花を想像してみる

と 突然 頭に衝撃を受けた 

『うっ...痛たぁ~』

空から何かが降ってきた 雪? こんなに痛い物でしたっけ
頭をさすりながら 落ちてきたものを見る
長靴…いや…もう一度よくその靴を見る なっ

【あ...ごめんなさい】 と声がした

えっ...どこから?と辺りを見渡した 声の主が見当たらない
今度は肩に落ちてきた もう片方の靴だ 肩かぁ まっぁんの言う通りだ

【あ…またまた ごめんなさい】

それは男物のブーツだった 今度は 声鳴る方へ 私は桜の木を見上げた
見つけた 男の人らしい 暗くてよく見えない けれど見覚えのある様な

『そんなところで 何をしているんです?』私は尋ねた

【空を見上げているんだ】
『はい?何故?』
【今 サンタさんはどこを走っているのかと 君は気にならない? 
どう? 君もここへ来ない? ここは気持ちいいよ】

『結構です ブーツ ここへ置いておきますから』

聞き覚えのある声 でも おかしい人 変質者かもしれない 
ここは関わらない方がいい そう私の頭脳が判断をした 静かにその場を離れようと 
足を一歩踏み出す       その瞬間