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歴詩 集

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 時は元和元年
 突として
 六文銭の旗をパタパタと はためかさせる 青嵐
 大坂夏の陣が――勃発した

 真実のところ それは偶然ではなく
 必然的に

 徳川の兵力は15万
 それに較べ 豊臣側は7万
 力の差は歴然としていた

 腰兵糧(こしびょうろう)は……三日分で充分!
 5月5日 家康は自軍にこう命じ 京を出立した

 一方豊臣方は 道明寺に布陣
 されど濃霧で 集結が遅れる
 これにより 後藤又兵衛が戦死
 ことここに至れば 幸村が殿軍(でんぐん)を務め 大坂城に一旦退去
 さらに幸村は 木村重成の死を知らされる

 豊臣の七将星(しちしょうせい)が 次から次へと落ちて行く
 その士気を高めるため 豊臣秀頼の出馬を請うた
 だが、淀君により 否

 こうなれば 戦に勝利する方法は たった一つ
 ――家康の首を取ること――


作品名:歴詩 集 作家名:鮎風 遊