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おぼろげに輝く

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 着信履歴が赤で示す電話番号にカーソルを合わせ、通話ボタンを押すと、短い呼び出し音がぷつりと切れてすぐ、智樹の声がした。
「出るの、はやっ」
『おう、今忙しいのか』
「いや、もう終わった。何かあった?」
『うん、また飯でもどうかなと思って。曽根山さんも誘って』
 道端に、空き缶が転がっていた。蹴り飛ばすかどうか迷った挙げ句、俺はそれを道の端に立てて置き、再び歩みを進めた。
「曽根ちゃん、今、意識不明」
『な、ハァ?』

作品名:おぼろげに輝く 作家名:はち