八方美人のすすめ 4月 2日 お遍路 追加
人 材
良く上司の悪口を言うのを見る。
私も勤めていたときはその一人、また言われる対象の一人で、恥ずかしい限りだった。
今になって思うのだが、経営者というのは当然人を育てなければならないわけだ。社員をどう使うかではなく、どう育てるのかというところになるだろう。もっと言えばその会社で働いて貰いながら人として立派な人格教養も育てなければならない訳だ。
となると、その経営者が馬鹿で育てられるわけ無いし、本物を知らない物が本物の人格を付けられるわけが無い。逆説すれば社員も自ら成長しようと勤めなければならない訳だ。
仕事を通じ人間を形成しながら利益を上げるのはそう容易いものではない。
今は斜陽となった有名企業での話し
そこの社長は芸術好きで数年に一度、バレエ公演行い社員と関係企業を無料で招いていた。
知人はそのチケットがあるので私に見に来ないかと誘われ、それが好きな私は見させて頂いた。それは日本では有名なバレエ団の公演だった。プログラムは有名な「白鳥の湖」私の好みとしては「くるみ割り人形」を見たかったのが一般受けするからこの演目に明日のだろうと思いながら2階席から娘と一緒に見させてもらった。
過日その話をしてると「そんな金あるのなら(約2000万程かかるのかな)社員に分配してくれればいいのにバレエ見てもしょうもない!」と友人が言う。
この公演が本物かどうかはさておき、本当にそうなのかな?と私は思う。
社長が社員にバレエは素晴らしいのオペラはいいのと言ってもおそらく社員は自腹出しては見まい。でもその良さを分かって貰いたいなら、そういう金の使い方もあって然るべきだなと思う。例えば社員は海外旅行へ連れて行くといってもお決まりのツアーお決まりのショッピング・・・となる。私も何度かそういった旅行をさせて貰ったが地元のツーリストを儲けさせるだけの実につまらない旅行だった。料理は近くのホテルで食べる飲茶が美味かったし、買い物は日系のデパートのほうが安くていい品が多かった。
その好みはさせておき
「本場の高級列車で食事して、本物の美術作品も舞台も鑑賞して、どうやこれが本物の凄み、価値なんだ」というのを社員教育として行うなら、それを理解する社員は自分たちの考え、行動も変えていくと思う。それが分からない社員は「しょうもない!」で済ますわけだ。そうしてそれなら給料上げてくれといい、自分の価値観を買えようともせず、よしんば上げてもその金はパチンコに消える。
作品名:八方美人のすすめ 4月 2日 お遍路 追加 作家名:のすひろ