心の中の雨の音(詩集)
三角形
あなたの心の中にボクはいないのに
ついあなたを見てしまう
うなだれた姿を見てしまう
なにもしてあげることはできないが
今日はもうこないとわかったから
わたしは 待ちくたびれてしまったし
あなたの心が見えなくなってしまったから
わたしは うなだれてしまう
あの日 あなたが赤いジャージ姿で走っていて
ポニーテールが左右に揺れ動くのを
ボクは深い感動とともに見ていたのだった
今はその面影が見えない悲しさ
泣きたいのと怒りたいのと半端な気持ちで
わたしは うなだれてしまう
あなたが重要な出来事のせいで来られないのだと
思い込もうとしても うまく出来ない
もしかしたらチャンスなのではないかと
ボクは淡い期待をしてしまいそうになる
ただ見ているだけの恋なんて と、告白しても
あなたは いつもの冗談だと思うのだろう
思い返してみると あれもこれも
今の現実につながってしまうことを
懸命に否定している もうひとりのわたし
ふと思い出したあいつ
いつも冗談ばかり言ってるけど
優しいあいつに相談してみようかな
作品名:心の中の雨の音(詩集) 作家名:伊達梁川