心の中の雨の音(詩集)
青空〜負のイメージで〜
青い青い空が見えている
その青さが
老いだとか小さな憂鬱などを
さらけ出してしまう
せめて風でもあれば
それらを
そっと拭い去ってしまうかもしれないのに
怠惰に空気はよどんでいる
長い長い影を引き連れて
歩いている
金木犀の香りが
出迎えそして別れをつげる
せめてもの慰めは
陽が律儀に西に傾いていて
いずれ私を
同じ色となって隠してくれるだろうこと
青い青い空が見えている
その青さを
彼岸花だけが見ている気がする
私には無関心で
作品名:心の中の雨の音(詩集) 作家名:伊達梁川