心の中の雨の音(詩集)
しだれ桜
桜並木とゆるやかな流れの小川
このゆったりとした美しい風景を
なぜかいつも独りで
少しもの悲しい気分で見るしだれ桜
ソメイヨシノの狂騒と散り方は
ある恋とその終りを思い起こし
しだれ桜はその後に見たのだったと
想いを新たにする
そもそも重力を感じ上に伸びる筈の枝が
上に伸びるのをやめてしまった枝垂れ
挫折した筈の夢だって
別の夢につながっている
桜並木とゆるやかな流れの小川
この美しい風景をいつかあなたと
作品名:心の中の雨の音(詩集) 作家名:伊達梁川