心の中の雨の音(詩集)
陽射し
その昔
貧しい者にも富める者にも
平等に降り注いでいた春の暖かい陽射し
今も変わらず
陽は律儀に大地に降り注ぎ
樹木が作る遠慮がちな影は優しい
時は
街を作り大きな影を作り出した
光を求めて影から移動出来るものはいい
おそらく明日も
陽は律儀に大地に降り注ぐだろう
でも影から抜けだせないものには意味が無い
落葉樹は
冬から春にかけて葉を落とし
必死に葉を広げる地上の植物に光を譲る
街は
譲ることを知らずに大きな影をつくる
陽はいつまで律儀に大地に降り注ぐのだろうか
作品名:心の中の雨の音(詩集) 作家名:伊達梁川