心の中の雨の音(詩集)
何かすることがあった筈だ
何かをするために
台所にきた筈だったけれど
床があまりに汚いので
掃除機をとりにもどったが
洗濯物カゴが眼に入ったので
洗濯を始めた
でも
何かすることがあった筈だ
振り向けばポットが呼んでいる
お茶でも飲んで思い出そうか
だが
考えが中途半端で
視界に入ったバナナを持って
コタツに戻った
何かすることがあった筈だ
コタツでゲームなどをしていると
終わったぞと洗濯機が呼んでいる
でもその前に
台所がオレを呼んでいる気がする
そうだ
何かすることがあった筈だ
何でも一人
楽しい楽しい独り暮らし
さて
何かすることがあった筈だ
作品名:心の中の雨の音(詩集) 作家名:伊達梁川