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つだみつぐ
つだみつぐ
novelistID. 35940
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男性支配

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昔、ヤマギシ会に参画した。
参画して間もない頃、わたしはある女性に
「ヤマギシ会って、離婚者めちゃくちゃ多くないですか?」と聞いた。わたしは27歳だった。その人は30歳ぐらいだったろうか。
(そしてその当時、わたしは社会を「上」から見る視点しか持っていなかった。)
「めちゃくちゃ多いわね。」
わたしは頭の中で、ヤマギシに入るような人は変人が多いので、協調性に欠けるのかな、と考えた。
彼女は続けた。「でも、ここで結婚した人は離婚する人はほとんどいないみたいね。」
「それは不思議ですね。」
「不思議でも何でもないのよ、あたりまえじゃない。」
「・・・・・?」
「離婚で一番多いケースは、夫婦で参画して、参画したとたん女性が夫と別れるの。というか、実はね、夫婦で参画した夫はほとんど妻に去られるの。もっとも、中には同じ人と再婚する人もいるけど。」
「え、ほ、ほとんど、ですか?どういう事なんですか。」
「わからない?」
「わかりません。」
「ここと娑婆(ヤマギシ内の俗語。ヤマギシ以外の一般社会のこと)とで女が一番変わるのは何だと思う?」
「ここでは洗濯も食事作りも育児も、全部それぞれの係がいるから、女性も男性とまったく同じだけ働いていますね。あと、女性の発言がとても多いですね。すごいことだと思います。」
「どこがすごいのよ。じゃあ、女が発言するのはおかしい?」
「いえ、けしてそんな意味では。」
「一番違うのはね、ここは『お金のない社会』だという事よ。」
「看板にも大きく『お金のいらない村』って書いてありますしね。」
「だから、お金のために我慢してきた人はここに来たらその必要がなくなるでしょ。」

作品名:男性支配 作家名:つだみつぐ