紅縞な蜥蜴の爪
水が好き
水が好き
蛇口を捻ったら出てくる水
最初に地面についた瞬間
それは沢山の粒になって弾ける
粒のひとつひとつには小さな世界が
そんな想像をしながらまた蛇口を捻る
水が好き
ヒトの6割だかを占めている水
半分水の私が水を好きってのも変だけど
暑い日には体がどろどろ溶けて空に飛んでくかも
そして寒い日にはカチコチに固まっちゃうかも
水になれたらそれでもいいや
水が好き
でも空から降ってくる水は嫌い
それを眺めているだけなら好き
真っ黒な空から落ちてくる幾つもの世界
カーテンを閉めると全ての世界が消える
行方を知ってるのは私だけ
水が好き
ひとりの時に勝手に私から出ていく不思議な水
だから”淋しい”って三水偏になってるんだね
冷たい水より温かい水になれたらな
触ってて心地のよい温かさ
触れていない周りにも温もりを
水が好き
そんな私はやっぱり水である貴方が好き
貴方の事を思うと綺麗な水になれるから
でも水は混ざりっ気がない方がいいでしょ?
だからひとりでいるのが好き
じゅんすいなままで生きていくって決めたの