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未花月はるかぜ
未花月はるかぜ
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After Tragedy1~プロローグ~

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プロローグ1-1


 僕がシー・ウインドスと出会ったのは、母親がわりのレーニスが死ぬ1年前の9歳の時のことだった。レーニスは、大きな魔法の開発か何かの事情があって、半年くらい神殿に籠ることになり、僕の世話を彼に託した。無口な彼を初めて見た時、僕はとても心細かった。レーニスの変わりになんて出来ないと思ったし、嫌だった。それでも、シーに僕が懐いたのは、彼が時折見せる優しそうな笑顔とレーニスに対する気配りに好感を持てたからだ。シーは、僕の変わった髪の色をすんなりと受け入れ、綺麗だと言ってくれた。それを機に、僕は彼の事を『シー兄ちゃん』と呼ぶようになった。

 シー兄ちゃんがレーニスの恋人だと判明したのは、僕がシー兄ちゃんと仲良く会話を出来るようになり、レーニスがいよいよ神殿に籠ってしまう直前だった。僕は、彼らがキスをしていたのを偶然目撃してしまった。決まりが悪そうに彼らがしていたのを僕は覚えている。最初からレーニスがシー兄ちゃんを自分の恋人だと紹介をしなかったのは、精霊と人間という種族の違いと、彼がレーニスの口添えで牢屋から出てきたばかりの囚人であったことが大きかったのだと思う。シー兄ちゃんが牢屋に閉じ込められていたのは、彼の父親が神様に盾突いた反乱者グループの頭だったからだ。僕は、後々にレーニスから聞かされた。

 レーニスが神殿に籠ってから半年経った頃、彼女は突然亡くなった。神殿の人達はその原因を僕等に教えなかった。