『ツキウサギ』
●ツキウサギ2『商売』
「見て見てツキ君!」
「なんだいなんだいウサギ君?」
「ほら、この壷を見てよ!」
「うーん、古い壷だね」
「それだけじゃないんだよツキ君。この壷には減量効果があるんだって!スゴイでしょ!?」
「へー、凄いんだね。でも本当かい?」
「ホントだって!お昼にタヌキ君から買ったんだ。2時間位小さい部屋で色々話を聞いてたら、つい買いたくなったちゃってさ」
「うーん、何か危ない匂いがするよ?」
「大丈夫だって。他のみんなも全員買ってたもんっ」
「それも更に危ない匂いがするよ?」
「そ、そうかなぁ。でも確かに減量効果は有ったんだよ」
「あ、そうなのかい。なら良かったじゃないか。でもウサギ君はもう十分小さくて可愛いと思うよ?」
「うん、ありがとツキ君」
「どのくらい痩せたんだい?見たところあんまり変わってないけれど」
「それがスゴク軽くなったんだよ!」
「うん、どこがだい?」
「お財布っ!」
「ウサギ君。その壷いったい幾らしたんだい……」
―おわり―