甜茶no駄洒落へようこそ
【舌きりすずめ】
兵士たちは疲れていた。
何日もさ迷い歩くが、テントが見つからない。
背中に背負ったリュックの中の食料も底をついてきた。
その中でも隊長は、気丈にみんなを励まし続ける。
ひとりで大きな声を出し、喉から血が出るほど涸れている。
兵隊のひとりは、空を見上げ、隊長に耳打ちする。
それを聞いた隊長は、声の限りに叫ぶ。
「あーしたーき、きり… … すずめぇーーー!」
※ 『隊長は舌きり雀のように口元を染めて…明日、霧、進め』でした。
作品名:甜茶no駄洒落へようこそ 作家名:甜茶